洋間だから開き戸和室だから引き戸と言う発想はやめましょう。 開き戸では個室のオンパレードに成ってしいます。 つながりを持たすには少なくとも1間開かなければ開放性がありません。 リビングに続き間として和室を取る場合は3枚戸を引き込み1間半開ける事も出来ます。 ドアは開けた途端に人にぶつかる事にもなりかねません。 車椅子対応などバリアフリーの要素も含むまれます。 引き戸は日本古来の独特の文化です。 住まいはそれぞれの独特の気候風土に合わせてつくられてきました。 ヨーロッパの家は寒くて厳しい長い冬をしのぐために閉鎖的につくられました。 だから常時閉鎖型のドアーになりました。 それに比べて日本の家は蒸し暑い夏を少しでも快適にと風通しの良い開放的な家を建ててきました。 そこから生まれたのが日本独自の引き戸です。 閉めれば個室になるし開けて一室的な使い方も出来ます。 また風を通すに引き戸は大変便利です。
住まいの部屋を大きく分類すると、家族スペースと個人スペースに分類されます。 家族スペースは家族みんなで使う部屋。 個人スペースは夫婦の寝室、子供部屋、お年寄りの部屋の様に、特定の人が個人的に使う部屋です。 平屋が年を取った時を考えると理想的ですが、街中では平屋の家を建てるだけの土地の広さは確保できません。 だから最近の住宅は2階建てです。 また狭小地では3階建て住宅になります。 東京では3階建て住宅が当たり前のようです。 2世帯住宅で無い限り、玄関は1階になり、家族スペースは普通1階にとり、2階に個人スペースをとります。 これは前回に述べた様に、玄関から廊下、階段という旅館型間取りにはせず、 玄関から家族スペースに行ける間取りにすれば、1階は廊下が殆どなくなります。 廊下は通るだけのスペースはもったいないです。 廊下が無くなった部分家族スペースが広くとれます。 ただ全くゼロには出来ません。 家族スペースからトイレや洗面所や風呂のドアが丸見えでは良くないから、少し隠す程度の廊下は必要です。 玄関から廊下・階段という間取りの場合は、2階にある個人スペースに行くためには家族スペースが分断されてしまいます。 中廊下式間取りでは南向きの部屋と北向きの部屋が出来てしまします。 風通りが悪いので、南向きの部屋は夏暑くてやりきれないし、北向きの部屋は寒くて居られません。 これを暖房や冷房でしのぐと言うのは、体に良くありません。 1階の家族スペースに廊下がない間取りにすると、冬は南から入る日差しが部屋の北側部分まで差し込みます。 夏は風通りの良さで南の部分だけが暑いということがないからです。 廊下がない分広く住めて、家族のふれあいも出来て、暖房や冷房だけに頼らず、 自然の恵みを十分受ける事が出来る暮らしが出来ます。 家族の心と体に取って、本当の意味での健康住宅と言えます。 からだによい家100の知恵 吉田桂二著参照
今でも目にする間取りのパターンにこんなのがよく見受けられます。 玄関に入ると玄関ホールがあり廊下が延びていてそこに階段があり、 2階にあがるとそこにも廊下がありそこから各部屋に入れる。 こんな間取りはおかしいと思いませんか? 家に入り誰にも会わずに部屋に行けてしまうのがこういう間取りです。 子育て世代さんの家でこういう間取りは大いに問題があります。 誰にも会わずに部屋に行ける必要があるのは旅館です。 だからこんな間取りは旅館型間取りと言います。 住まいは家族がふれあう場です。 だから旅館型間取りでは住まいとしては不適格と言わざるを得ません。 リビング食堂、茶の間、座敷などは個人的に使うのではなく、家族みんなで使うのですから 家族スペースと呼びます。 家族スペースは、個人スペーから出てきた家族がそれぞれ集まるところであり、 お客さんの応対もこなすのですから、家族と社会の接点とも言えます。 玄関から家族スペースに入り、そこから個人スペースに行けるのが自然です。 旅館型間取りだと学校から帰ってきた子供さんが学校で怒られたりいじめにあった時などに 足音を忍ばせて自分の部屋に入ってしまう事が出来ます。 またお客さんが来られている時には、子供さんが「ただいま」とか「いらっしゃい」とか挨拶しなければなりません。 どちらの間取りが子供のしつけに良いかは言うまでもありません。 30年くらい前に凶悪な少年犯罪が立て続けに起きた事があります。 世田谷で浪人生が金属バットで両親を殴り殺した事件。 神戸の連続児童殺傷事件。 宮崎勤の猟奇的殺人事件。 その時に「こんな間取りが凶悪な少年犯罪を生む」と言うタイトルの本が出版されました。 3人ともすべて旅館型間取りで家族に顔会わせずに子供部屋に行ける間取りでした。 すべてが住まいの間取りが原因ではないでしょうが間取りは大切です。 からだに良い家100の知恵 吉田桂二著 参照