敷地に余裕があれば理想の住まいは平屋と言われてます。 昔の日本の住宅は敷地に余裕があり殆ど平屋建てでした。 それは家の各部に行けるのに便利からです。 2階建てだと1階と2階が隔絶するからです。 ですが小さい家だと良いのですが、標準の大きさの家となると平屋が必ず良いとはいえません。 廊下が長くなり部屋相互のつながりが切れてしまい、部屋と部屋が遠くなるとやはり隔絶します。 住んで便利というのは日常的に生活している場所と部屋が出来るだけ近くつながり隣り合って居ることです。 リビングが日常生活の中心だったら、それに食堂や茶の間、座敷だの子供部屋だの、つながり隣り合うような間取りが可能でしょか? 中心の部屋が全部他の部屋で取り囲まれたら行灯部屋となり風が通らない日の入らない暗い部屋になります。 だから標準的な大きさの家は中廊下や片廊下回り廊下が出来てしまいます。 2階建てでも1階と隔絶させないで積極的につながりを持たせることが出来るのが吹抜けです。 吹抜けは2階の床を一部切り取り2階と1階の空間を縦に繋ぐことが出来ます。 リビングの上部の一部を吹抜けにすると、つながりあったり隣あったりさせたい部屋が2階にも取れる事になります。 建て売り住宅や住宅展示場の住宅にも吹抜けを取っているケースがありますが、玄関の上を吹抜けにした例が殆どです。 家を大きく見せようと言う魂胆が見え見えです。 冬などは寒いだけでです。 吹抜けをとるなら生活空間の一部に取るべきです。 吹抜けを挟んで2階に子供部屋があれば「1階からご飯ですよ」と上を向いて声をかければ 2階の窓から子供が顔をみせ、ばたばたと下りてくる、これこそが吹抜けの効用です。 1階と2階のコミニュケーションが吹抜けを通じて取れるのです。 子育て世代さんの家には大変有効です。 家族の気配が感じられる家になります。
洋間だから開き戸和室だから引き戸と言う発想はやめましょう。 開き戸では個室のオンパレードに成ってしいます。 つながりを持たすには少なくとも1間開かなければ開放性がありません。 リビングに続き間として和室を取る場合は3枚戸を引き込み1間半開ける事も出来ます。 ドアは開けた途端に人にぶつかる事にもなりかねません。 車椅子対応などバリアフリーの要素も含むまれます。 引き戸は日本古来の独特の文化です。 住まいはそれぞれの独特の気候風土に合わせてつくられてきました。 ヨーロッパの家は寒くて厳しい長い冬をしのぐために閉鎖的につくられました。 だから常時閉鎖型のドアーになりました。 それに比べて日本の家は蒸し暑い夏を少しでも快適にと風通しの良い開放的な家を建ててきました。 そこから生まれたのが日本独自の引き戸です。 閉めれば個室になるし開けて一室的な使い方も出来ます。 また風を通すに引き戸は大変便利です。
住まいの部屋を大きく分類すると、家族スペースと個人スペースに分類されます。 家族スペースは家族みんなで使う部屋。 個人スペースは夫婦の寝室、子供部屋、お年寄りの部屋の様に、特定の人が個人的に使う部屋です。 平屋が年を取った時を考えると理想的ですが、街中では平屋の家を建てるだけの土地の広さは確保できません。 だから最近の住宅は2階建てです。 また狭小地では3階建て住宅になります。 東京では3階建て住宅が当たり前のようです。 2世帯住宅で無い限り、玄関は1階になり、家族スペースは普通1階にとり、2階に個人スペースをとります。 これは前回に述べた様に、玄関から廊下、階段という旅館型間取りにはせず、 玄関から家族スペースに行ける間取りにすれば、1階は廊下が殆どなくなります。 廊下は通るだけのスペースはもったいないです。 廊下が無くなった部分家族スペースが広くとれます。 ただ全くゼロには出来ません。 家族スペースからトイレや洗面所や風呂のドアが丸見えでは良くないから、少し隠す程度の廊下は必要です。 玄関から廊下・階段という間取りの場合は、2階にある個人スペースに行くためには家族スペースが分断されてしまいます。 中廊下式間取りでは南向きの部屋と北向きの部屋が出来てしまします。 風通りが悪いので、南向きの部屋は夏暑くてやりきれないし、北向きの部屋は寒くて居られません。 これを暖房や冷房でしのぐと言うのは、体に良くありません。 1階の家族スペースに廊下がない間取りにすると、冬は南から入る日差しが部屋の北側部分まで差し込みます。 夏は風通りの良さで南の部分だけが暑いということがないからです。 廊下がない分広く住めて、家族のふれあいも出来て、暖房や冷房だけに頼らず、 自然の恵みを十分受ける事が出来る暮らしが出来ます。 家族の心と体に取って、本当の意味での健康住宅と言えます。 からだによい家100の知恵 吉田桂二著参照