親の愛
あれは私が親父から社長をバトンタッチされた年でした。
近所のタバコ屋さんに車が飛び込み店先が壊れました。
新築して間もない建物でした。
近所の建売が主体の工務店が建築したものでした。
お金の事で揉めて喧嘩別れしたようで
私の会社に直してくれるよう依頼が電話でありました。
当時大変忙しい時期でした。
先方さんは店舗なので非常に急ぐと言う事で
壊れた部分をサイディングでしましょうと言うと
頑固な年寄りで「モルタルでやってくれ」と聞きません。
私も若気の至りでプッツン来て
「それなら内では出来ないので他所でやって貰って下さい」
と言いました。
結局再び現場に呼び出され行くと隣の関係のないおっさんもいて
「あんたいったんやると約束しておいて年寄りを苛めるな」
と私を夫婦でつるし上げます。
気の弱い?私は言葉に窮してしまいました。
そこにその話しを聞きつけた親父が来てくれました。
そして「息子はまだ若くて言葉足らずの所も有ったろうが一生懸命
やっている長い目で見てやってくれ」と
涙ながらに言い私をかばってくれました。
今でもその情景を思い出だすと
親父の深い愛に不覚にも涙が溢れます。
親が子を思う気持ちはかけがえのないものですね
子を思う深い慈悲の心有りがたいですね。