洋風の建物と言う言葉は良く聞きますね。 言い得て妙です。 我が国で造られている洋風の建物は、アメリカ式でもイギリ式でもなく、スイス式でもない、日本の洋風なのです。 かに風かまぼこがかにの肉のように繊維状に裂けてもかにでは無いように、決して本物のかにではありません。 世界の中で我が国以外のどこにもこういう種類の建物がないという意味では我が国の洋風建物はきわめて日本的、 和風と言えるのではないでしょうか? 我が国の洋風デザインの建物を造るのは簡単です。 外観の写真を切り抜き施工会社や設計者に渡せば簡単です。 石造りの家であろうが、フランスの住宅の写真とアメリカの住宅の写真が混じっても気にすることはありません。 造り手はきちんんと洋風の建物にしてくれます。 しかし外観デザインの好みで寄せ集めた断片の寄せ集めで良い住宅になるでしょうか? 住まいは、それが建つ地域の風土と気候にうまく適合しています。 緯度が高い地域では、夏冬とも日差しを取り込むように庇を短くします。 日本では夏の日差しを遮り、冬の日差しが取り込める様な長さで、 また良く降る雨から建物を守るために深い庇を出しています。 このようにその場所の気候風土にあわせた住まい造りがいちばん大事です。 吉田桂二著 快適な間取りのつくりかた参照 、