昔は欧米の人から日本の住まいはウサギ小屋みたいだと
揶揄され大きく傷つきました。
しかし今や日本の住宅も年々大きくなっていきました。
去年の統計で140㎡位アメリカはともかく欧州は持ち家比率は
少なくアパートメント暮らしの方が多い様です。
昔の日本の家屋は家具と名のつくものは少なく
庶民は多くは借家住まいで持ち家はごく限られたお金持ち。
手軽に引越しが出来るように家財道具も箪笥が数点・・・
和室の造りそのものが多目的に使えるように工夫されていました。
畳はちゃぶ台を出せば食事が出来る。
ちゃぶ台をたたんで部屋の隅に立てかけて、布団を引けば寝室になる。
障子、襖の類は開ければ大広間閉めれば小部屋に仕切りある程度の
プライバシーが保てます。
実に上手く考えられてます。
徒然草で吉田兼好が「日本の住まいは夏を旨とすべし」と書きました。
蒸し暑くしのぎにくい夏を過ごすには風の通り抜けを簡単に
可能にする引き戸の工夫は不可欠のものだったのでしょう。
外部の環境と遮断する造り方の西洋の住宅に較べて
日本の住宅は外部の環境に溶け込むように、上手く自然を取り入れるように
造られて来たといえます。
地球の温暖化により夏の暑さが年々酷くなる今日
最近の高気密高断熱の住宅は甚だ疑問と言えるのでは
ないでしょうか?