昔の家は田の字型の間取りが多く造られてました。
部屋は引き違いのふすまや障子で仕切られていました。
大人数の集まりがあればそれを外すと
大きな空間が出来ました。
昔の家は田の字型の間取りが多く造られてました。
部屋は引き違いのふすまや障子で仕切られていました。
大人数の集まりがあればそれを外すと
大きな空間が出来ました。
しかし現在の洋間中心の小間割間取りの家はどうでしょうか?
出入り口はドアーで各部屋が仕切られています。
ドアーは閉まっているのが常態なので、洋間は閉鎖的な部屋になります。
今の家のほとんどは、この様な洋間の集積になっていて、
小間切れ状態で分割されています。
限られた広さの家を、欲しいと思う部屋数を取れば
ひと部屋の面積は小さくならざるを得ません。
部屋のすべてが6畳だったらいくら部屋数が多くて
全体の坪数が大きくても住んでみての広さは
6畳以上には決してなりません。
何故部屋数が増えてしまうかと言えば、
それは使用目的別に部屋を取るからです。
リビング、食堂、座敷、茶の間、夫婦の寝室、子供部屋、書斎・・・・
閉鎖的な小部屋ばかりの家には広がりはありません。
いかに延べ坪数が大きな家でも、住んで狭い家となります。
住んで狭く感じられるだけなら我慢?出来るかも知れませんが・・・
一番の問題はこういう家では家族の触れ合いが乏しくなります。
子育て世代の方の家では子供との触れ合い対話の乏しい家となり
子供の非行化につながりやすい間取りの家となりかねません。
また西欧と違い高温多湿の日本の気候風土の家づくりに
一番大切な通風が阻害されます。
年々地球の温暖化の影響で夏の蒸し暑さが増している広島では
夏にガンガン冷房を聞かさなくてはすまない家になります。
健康に暮らすうえで大きな障害になります。
また家族構成の変化で使わなくなる死に部屋が沢山出来ます。
一年じゅうTシャツ一枚で暮らせる家と言うキャッチコピーの
高気密高断熱の家があります。
しかしこういう家に長年住み続けると人間の本来の
体の機能が退化します。
赤ちゃんの時からこの様な家で育つとすぐ風邪をひいたり
ぜんそく持ちになったりします。
また汗をかくと言う機能も退化してくると言われています。
日本には四季があります。
春、夏、秋には出来るだけ自然の風を家の中に
取りこみたいものです。
また春や秋、冬には暖かい太陽の陽ざしをなるだけ
居室に取りこみたいですね。
日照は家の陽ざしのくる面に広い開口部があれば済みます。
しかし通風については絶対に引き戸が有利です。
開き戸では引き戸ほど広くあけられないから
通風不足と言う事もありますが・・・
もうひとつの理由があります。
外に向かって両開きの窓を開けた場合、
風は正面から吹くとは限りません。
左右のどちらから偏って吹きこむと、開けた片方の建具が
邪魔をして風が余り通らないのです。
風の通るの良い家づくりには部屋のなかに
風の入り口と出口を設ける必要があります。
一番理想的なのはひとつの部屋で外部に面して風を入れる窓と
風が抜ける窓を配置すれば理想的ですが・・・
そうとばかりも行きません。
その場合には内部の開口部を通じて風を取りこんで行くわけです。
その場合も引き戸が大変有利です。
開き戸では風を通すには常時開口が必要になりますが
開き戸は従来閉鎖型の建具です。
ドアーチェックをつけたりドアーの下に何かを
はさんだりしなければ行けません・
風が強い時などはバタア~ンとしまってしまいます。
風の通りの良い家づくりには引き戸が必須条件です。
ある地方や、ある国の風土に合わせて作られた家の形を、
全く違う気候風土の地に建てて、居心地が良いでしょうか?
大量のエネルギーが必要になったり、メンテナンスが頻繁に
必要になったり、どこかに問題が出てきます。
日本は南北に長く、沖縄から北海道、3000キロあります。
全く気候が違いますね。
沖縄に多く見られる家の形状、デザイン、構造。
北海道に多く見られる家の形状、デザイン、構造。
全く違いますね。
それから、自分の好きな色や目立つデザインなど、
見た目だけを考えて建てた家は、年月が経つにつれて
色あせや、地域から浮いた家になってしまうものです。
それなのに、気候風土も地域の雰囲気も無視したような家が
結構あるんです。