第二の鉄則
「人と同じ行動パターンを取るな」
家を建てようと決めた時、9 0 % の人は次のような、
同じ行動パターンを取ります。
・住宅展示場のはしごをする
・住宅雑誌を買いあさり、自分のイメージに合いそうな住
宅を探す
・住宅雑誌についているハガキで資料請求する
・新聞オリコミのローコスト住宅のチラシに目を通す
・インターネットホームページの住宅情報を検索する
その結果、頼みもしないのに、営業マンの電話、訪問攻撃
に遭い、敷地調査、プランニング、資金計画など、どんど
ん進められていつのまにやら、契約書にサインしていた。
住宅会社の仕掛けたベルトコンベアーに、まんまと乗せられ
てしまったというわけです。
住宅会社から見れば、効率よくいかに早く契約まで持ち
込む仕組みや仕掛けにはお金をかけます。営業マンの目的は
「住宅を売る」という事ですから、同じ行動パターン
に陥ってもらえば、一番大歓迎なのです。が、ユーザー
はこれに乗っかってはいけません。踏み出す最初の第一
歩を間違うとあとでは修正不能です。あまり考えもせず、
また、考える暇もなく、家を建てる契約をするほど、後で後悔
することはありません。それでは、最初の第一歩は何をすれ
ば良いのでしょうか。
・住宅の本当の役割、基本の理念を勉強する
・現在の生活スタイルを書き出し、不満な所をリスト化す
る
・総予算を予め決めておく
・いろいろな工法のメリット・デメリットの勉強を
する
最低でもこのくらいの知識を身につけてから、少なくとも
住宅展示場には、行くべきです。それと、営業マンの強力
なセールス攻撃をかわす自信がないなら、アンケート
用紙に実名、住所は書かない事です。
3 月、6 月、9 月、12月は、会社の締め月ですから、特別
サービス価格とかモニター価格などといって、何が何でも契
約書にサインさせようと、ガンガン訪問してきて、必死に売
り込みにかかります。皆さんがスーパーで買い物される時、
たとえ大根一本でも、手にとって重さを計ったり、肌の張り
具合をみるなどして、中にスが入っていないか、筋っぽくな
いかなど、ご自身の今までの経験に照らし合わせて、善し悪
しを判断されておられることでしょう。ところが、汗水た
らして貯めた貴重な大金を使って住まいづくりをされ
る時に大根を買われる時のような知恵が働かず、営業
マンの人柄や、会社の大きさ、住宅会社のモデルハウスのイ
メージなどで簡単に決める方が実に多いのです。住まいに
関する正しい知識や理解が不足したまま、表面的なデ
ザインや機能性のみにとらわれ選択するのが一番危険
です。
営業マンの話の内容が正しいかどうか判断できるだ
けの知識が無ければ、大きな落とし穴にはまってしま
います。 住宅展示場で見たモデルハウスが気に入って契約した人が、 5 0 坪の敷地に建った我が家を見て、あまりのイメージの違 いに、自分の目を疑い、失望したという話はよく聞く話です。 分が実際に建てる家とモデルハウスとは、土地の 大きさ、建物の大きさも、また仕様も全く違うものです。
私の生い立ち
私は、瀬戸内海に浮かぶ能美島の沖美町是長で生まれ、温
暖な自然環境と、人柄のやさしい土地柄に育まれながら、4
才まで過ごしました。私の父親は、大工職人から、工務店を
創業しました。大正元年生まれの気骨のある職人気質のある
男です。私は、長男ということもあったのでしょう、小学校
の四年生の頃から、夏休みなどにはよく、現場の清掃、片付
けを、手伝わされていました。
中学生にもなると、住宅の基礎のコンクリート打ちを手 伝っていました。当時は、今ほど専門業化されておらず、私 どもの会社では住宅の基礎も、自分の所で施工してました。 又、今と違い、生コンクリートをミキサー車が持って来る のではなくて、現場でミキサー( コンクリートを練る機械) に、砂・砂利・セメント・水を入れて練っていました。 リヤカーに、ミキサーやフネ( 現場でセメント袋からセメ ントを取り出して入れるもの) を運んでいて、同級生の女 の子にバッタリ会って、少し恥ずかしくて、顔を赤く した思い出もあります。 父親は、私の生来の手先の不器用さを見抜いていたせいか、 大学に行かせて、建築士の資格を取らそうと思ったのか、私 に大工の修業をしろとは言わず、日本大学の建築科へ行かせて くれました。